2024/05/20投稿者:神原

わかりやすく解説!106万円と130万円の壁

今日は「よく会話で出てくるけど、意外と知らない106万円と130万円の壁」についてわかりやすく解説するよ。

 

 よく配偶者の人がアルバイトやパートをするなら「106万円や130万円の壁に注意して働こう!」といった記事をみかけます。ここでは、結局何が一番お得な働き方なんだろう?という方に耳より情報を提供します。

 

 ここでは短い時間で手元に残るお金が一番多くなる方法を「お得な働き方」とさせてもらいます。

※将来の年金額の増減が、という話や、他に副業していたりで収入がある場合、までを含めて考えると一気に内容が複雑になるので、そこは考えずにあくまでも1か所でアルバイト・パートをしている場合で説明していきます。

 

(1)106万円の壁

まず、106万円は社会保険に本人が加入する要件の1つに目安です。法律上では、

 ①   101人以上の従業員がいる会社(被保険者数)

 ②   20時間以上の勤務 ※100人以下の会社は週30時間以上の勤務

 ③   月の給料が88,000円以上

のすべてに当てはまった場合に社会保険に加入しないといけなくなり、月88,000円×12カ月=1,056,000円(≒106万円)ということから、106万円の壁、と言われています。

 

(2)130万円の壁

 130万円は何かというと、社会保険の扶養から外れないといけなくなること。

 あわせて、所得税の配偶者特別控除を受けることができなくなる、ということです。

という事を考えていくと、だんだんと面倒くさい話になってきて、眠たくなりますよね。

 

(3)手元に残るお金を多くするには?

じゃあ、ややこしい話はさておき「短い時間で手元に残るお金を一番多くする」には?

結論として以下の2つ方法があります。

 

   1週間の勤務時間を19時間までに抑えながら、賞与を含めた年収130万円以下にする

   1週間の勤務時間は20時間以上であっても、月の給与は88,000円未満に抑えながら、賞与を含めた年収130万円以下にする

 

 ①②どちらかにあてはまり、社会保険は配偶者の扶養に入り、所得税は配偶者特別控除を受ける、という働き方が世帯の手取り収入を多くすることができます。翌年の6月から住民税が発生しますが、厚生年金の配偶者第3号被保険者として取り扱われることもあり、税額を差し引きしても手取り収入や将来の年金受給へのプラス効果が想定できます。

※もちろん、扶養に入らなくて良いのであれば、もっと世帯の手取り収入を増やすことはできますが、あくまで扶養に入った状態で!ということを前提にしています。

 

(4)106万円~130万円の間だと?

 以上のことから、130万円を超えると、社会保険の扶養から外れて、家族の健康保険や厚生年金などの負担が増える可能性があります。この時期には、家族の医療費や年金保険料などが自分の収入だけで賄わなければならないので、家計に負担がかかることが予想されます。

 この範囲にある年収106万円から130万円までの間は、状況によって社会保険に入る必要性と、控除できる所得税額とが変わってくるので、ひとまとめに何がお得か、と言えません。

 要するに、106万円と130万円の範囲は、家計を計画する上での大きなポイント。この範囲で収入が変わると、家族の医療費や社会保険料などの支出をしっかり考慮して、家計のバランスを保つ必要があります。ちなみ103万円は所得税の扶養控除を受けれる基準のことです。

 

 よって、この106万円と130万円の壁を乗り越える、または抑える計画を立てるときには、税金や保険のことをしっかりと考えて、バランスを取るようにしましょう。

 

社会保険労務士法人ハセガワ事務所